更年期障害

顔やからだのほてりという「ホットフラッシュ」や、肩こり、イライラなどは更年期障害の典型的な症状です。個人差がありますがその他にも、のぼせ、発汗、不眠、イライラ、めまい、憂うつな気分になるなどの症状が現れます。これらは、エストロゲン(女性ホルモン)の低下で自律神経が乱れるために起こります。

更年期には女性ホルモンが急激に落ちてくるので、活動能力の落ち方も急で、どうしても弱ってきたと感じてしまいがち。また、精神的にも、うつ病などの発症が増えてくる時期です。また、閉経の前後に生じるいわゆる更年期障害のほか、閉経の数年後には尿漏れなどがあり、10年後には女性ホルモンの低下によって減少した骨量が原因で、骨粗しょう症などが発症することがあります。更年期前後の健康管理が老年期の健康を左右するといえましょう。

また30歳代から発症する若年性更年期障害も増えています。症状は、頭痛、めまい、吐き気、肩こり、腰痛、手足のしびれや痛み、腰や手足の冷え、眠りが浅い、動悸・息切れ、不安・憂鬱、イライラする、疲れやすい、生理不順などです。原因としては、ストレス、不規則な生活、激しい運動、肥満、過激なダイエット、喫煙などが女性ホルモンのバランスを崩していると考えられます。もちろん、更年期障害と思っても、ほかの病気だったということもあります。自己判断せずに、専門家に診てもらうことも大切です。

現代医学的診断・治療法

現代医学では、減少した女性ホルモンを直接的に補う、ホルモン補充療法(HRT)がよく用いられます。この方法は更年期症状全般に有効ですが、誰もが飲めるわけではなく、血栓症がある人や乳がんの既往があるような人は服用が制限されてきます。

中医学的な更年期障害のとらえ方

中医学では主に「腎」が生殖機能と深く関わっています。更年期にかかる45~55歳の間は体全体の機能低下が見られますが、特に「腎」の働きが自然現象として衰えていきます。腎は元気の源とも言われ、体全体を温める力(気の働き)と臓腑や各器官に栄養を与え潤す力(血・水の働きに当てはまります)を備え調節しています。この温める力が低下すると手足の冷え、むくみ、頻尿などの冷え症状が強くあらわれ、潤す力が低下するとのぼせ、発汗、めまい、人によっては骨密度の減少、高血圧、高コレステロールをまねくと考えられています。また、このような状態が長く続くと他の臓器へも影響を及ぼし様々な症状を生み出します。

中医学的な更年期障害のタイプと治療法

●肝腎陰虚タイプ●

肝腎要といわれるようにこの2つの臓器の働きが失調することにより、体を養う血、潤す働きの水が不足し、あらわれる症状です。

○随伴症状
月経が早く来る、経血量は多くダラダラとしみでる、色は紅い、めまい、顔面部ののぼせ、いらいら気分になる、汗がでる、口が乾きやすい、手足・胸中がほてる、腰がだるくなる、耳鳴り、動悸、不眠。

○治療方法
体を養う血、潤す働きを高める「滋養肝腎」の治療をしていきます。
漢方:六味丸+四物湯、女貞子、旱蓮草、知母、黄柏

●腎陽虚タイプ●

体全体を温める働きをもつ「腎」。機能が低下すると冷え症状が多く見られます。

○随伴症状
月経周期がまちまちで経血量は少ない、色は薄く赤い(淡い)
質はさらさらしている、またダラダラでる、顔色はうす暗く、手足が冷える、頭がくらくらめまいがする、腰がだるく冷える、尿が希薄で量が多い。

○治療方法
体を温め、活動力を増す「温補腎陽」の治療をしていきます。
漢方:八味地黄丸

●痰湿阻絡タイプ●

「脾」のエネルギーが足りないために、食べた物が気・血・水に変わらず、余分な水分が体内に停滞し、経絡(気の流れるルート)の運行を阻害するために生じる症状です。

○随伴症状
水太り体質、頭が重くめまいがする、頭痛、耳鳴り、のぼせる、胸や胃のあたりがもたれる、吐き気、嘔吐をもよおす、食欲低下、むくみ、軟便ぎみ。

○治療法
脾の働きを高めることにより痰を作らないようにする「健脾化痰」の治療をしていきます。

漢方:半夏白朮天麻湯、二陳湯、五苓散、六君子湯

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