無月経

無月経の原因は様々です。過度のストレスや過激なダイエット。一部の薬剤による副作用などの場合は原因を取り除くことで、自然に回復することにありますが、重度の多嚢胞性卵巣症候群や、早発性卵巣機能不全などは治療が難しくなります。特に無月経になってから半年以上経つと、子宮内膜が委縮してしまう可能性もあるので、妊娠を考えている方はできるだけ早めに治療を受けることが大切です。中医学では特に、器質的に異常がない原因不明の無月経に効果を発揮します。

現代医学的診断・治療法

1.原発性の場合
(性機能が成熟する年齢になっても月経が来朝しない状態)原因の約半分は卵巣形成障害が占めていると言われています。その他、性中枢や内分泌の異常によるものと考えられています。初経が16歳を過ぎても来ない場合は、産婦人科を受診された方がよいでしょう。早期に診断、治療することにより将来における妊娠、分娩が可能となります。

2.続発性の場合
(今まで周期的に月経があったにも関わらず連続して3ヶ月以上月経が中断している状態)原因はホルモン分泌の異常や排卵障害で起こるとされています。排卵障害による無月経は、ホルモン療法や排卵誘発剤が主な治療法になります。器質的に異常がない場合でも、中医学とうまく使い分けて治療することにより、効果が高まりやすくなります。

中医学的無月経のとらえ方

発症する原因は様々ですが(以下後述)主に2つのタイプに分けることができます。

1番目は栄養が不足しているため、子宮を養うことができず発症する「血枯タイプ」
このタイプは月経が始まる年齢になっても初潮がない、あるいは月経が遅れ、経血量 が減少し、無月経にいたります。

先天的に虚弱体質で発達が遅い場合や無理なダイエットにより(特に成長期で代謝が高まる時期に)摂取量 や質の少ない栄養は、まず必要な臓器へ供給されるため、子宮まで届かず無月経をまねいてしまうなどが主な原因となります。

以下が血枯タイプの代表的な例です。

気血虚弱タイプ

疲れやすい食物からエネルギー(気)を生み出す源である「脾・胃」。この2つの臓器の働きが失調することにより、体を養う気や血が作りだせないため、子宮はもとより、体全体の機能減退症状がみられます。

○主な原因疲れやすい
生まれつき虚弱体質、飲食の不摂生、過労、あれこれ思い悩むことが多い。

○随伴症状薄い血
めまい、頭がくらくらする、食欲がない、食べても少ししか入らない、息切れ、便はやや軟便傾向、元気がでない、疲れやすい、話したがらない(パワー不足の為)。

○月経の特徴薄い血
周期: 遅れぎみ
血量: 少ない
色 : 淡い、薄め
質 : さらさらしている

○治療方法
エネルギーと血を増やしていく「補気養血」、「調経」の治療をしていきます。
漢方: 人参養栄湯

肝腎不足タイプ

耳鳴り肝は血を貯蔵し、腎は先天のエネルギーを貯蔵しています。これらはお互いに協力し、必要なときに変換しあいます。この2つの臓器の働きが失調すると、体を養う「血」や「先天のエネルギー」不足を生じ、無月経にいたります。

○主な原因耳鳴り
生まれつき虚弱体質、長期間の過労、性交過多による腎エネルギーの損傷。

○随伴症状
めまい、耳鳴り、腰が重だるく不快感があり脚に力が入らない。

○月経の特徴薄い血薄い血
周期: 遅れがち
血量: 少ない
色 : 薄い赤色
質 : 水っぽくさらさらしている

○治療方法
肝・腎の働きを高め、子宮内を滋養していく「滋養肝腎」「調経」の治療をしていきます。
漢方: 杞菊地黄丸、六味地黄丸

気滞血オタイプ

イライラ2番目はエネルギーの流れが停滞し、栄養が子宮へ行き渡らないために発症する「血滞タイプ」 このタイプは突然発症し、数ヶ月にわたり月経が停まります。こちらは主に、精神的ストレス(周りの社会環境、生活環境など)や生活の中での不摂生(飲食、睡眠不足、過労)が主な原因になります。

○主な原因イライラ
精神的ストレス、イライラしやすく怒りっぽい、マイナス思考。

○随伴症状
胸や脇、乳房がはって痛む、イライラしやすい、ガスやげっぷが出やすくなる、下腹部がはって痛む。

○月経の特徴紫色っぽく、赤黒い血紫色っぽく、赤黒い血
周期: 早まったり、遅くなったりその時の精神状態により変わる
血量: 少なく、ぽたぽたと出る程度
色 : 紫色っぽく、赤黒い色
質 : レバー状のかたまりが血に混じる

○治療方法
気と血の流れを調える「理気化オ」、「調経」の治療をしていきます。
漢方: 血府逐オ湯、桂枝茯苓丸、通導散

痰湿阻滞タイプ

悩む「脾」のエネルギーが足りないために、食べた物が気・血・水に変わらず、余分な水分が体内に停滞し、経絡(気の流れるルート)の運行を阻害します。栄養分である気、血が子宮へ到達できないため、無月経となってしまうタイプです。

○主な原因悩む
冷たい水分・甘いもの・味の濃いもの・脂っこいもの、ビール、生ものを多く摂取する家が湿気を帯びやすい。

○随伴症状
白いおりものが多くでる、水太り体質、色白、体が重だるい、痰が多くでる、頭が重くめまいがする、胸や胃のあたりがもたれる、吐き気、嘔吐をもよおす、手足・目のむくみ。

○月経の特徴黒っぽい赤色の血黒っぽい赤色の血
周期: 遅れがち
血量: 少なめ
色 : 黒っぽい赤色
質 : レバー状のかたまりが血に混じる、粘っこい

○治療方法
脾の働きを高めることにより痰を作らないようにする「健脾化痰」。
エネルギーの流れを調え、栄養が子宮へ行くよう促す「理気調経」の治療をしていきます。
漢方: 半夏白朮天麻湯

寒凝血オタイプ

寒気冷たいものの飲食や寒気が体に入ってくることにより、血のめぐりが滞りやすくなってしまいます。 そのため体の各器官や子宮に栄養が行きわたらず無月経となってしまうタイプです。

○主な原因寒気
冷たいものや、体を冷やす食べ物の過食。
寒冷にあたる(冷房や真冬の冷たい風)、薄着(とくに下半身)

○随伴症状
下腹部が冷えて痛む、身体が寒い、手足の冷え、温めると楽になる顔色が青白い。

○月経の特徴黒っぽい赤色の血黒っぽい赤色の血
周期: 遅れがち
血量: 少なめ
色 : 黒っぽい赤色
質 : 大きなレバー状のかたまりが血に混じる

○治療方法
経脈(エネルギーの通り道)を温め、寒さを散らす「温経散寒」「調経」の治療をしていきます。
漢方: 温経湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

 

この他、病状が長引くことにより症状は複雑化していきます。そのため1と2のタイプが混合しているタイプの方も少なくありません。 無月経でお悩みの方はぜひとも漢方館各店へご相談ください。

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